FXの用語って何を覚えればよいの?
難しいFX用語を分かりやすく教えて!
こういった疑問にお答えします。
FXを安全に始めるのに、基本的な知識を理解したいですよね。
しかしFXの用語は難しいものが多くて、二の足を踏んでいる人も多いはず。
この記事では、初心者に分かりやすく図解を多く入れてFX用語を解説します!
FX初心者が失敗せずにトレードする方法や、大損しない秘訣も紹介するので最後まで読んでくださいね。
動画でも詳しく解説しています!
FX初心者に必須の用語12選
FXを始めるために最低限必要な用語は、次の12個になります。
損失に関わる用語も複数あるので、しっかり確認してくださいね。
FX
FXは「お金のせどり」と言い換えられるんです。
一般的なせどりは、本や家電、ファッションアイテムなどを安く仕入れて、ネットオークションなどで高く売りますよね?
同様にFXも外貨を安い時に日本円で購入して、高くなったら売ることで日本円が稼げるんです。
例えば上のように1ドルを100円で購入し、200円の時に売れば100円の稼ぎになります。
アメリカに旅行する時、両替所で日本円をドルに交換するのと一緒ですね!
FXの仕組みは安く買って高く売る、または高く売って安く買うとシンプルなんです。
FXの正式名称
FXの正式名称は「外国為替証拠金取引」であり、「Foreign eXchange」の略称です。
通貨ペア
通貨ペアとは、FX取引で異なる2国の通貨の組み合わせです。
表記の左側を取引通貨、右側を決済通貨と呼び、USDJPYなら日本円で売買します。
通貨は大別すると、取引量の多いメジャー通貨と少ないマイナー通貨の2つに分けられます。
- メジャー通貨:米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、豪ドル、カナダドル、スイスフラン
- マイナー通貨:メキシコペソ、南アフリカランド、トルコリラ
メジャー通貨は値動きが安定していてテクニカルに従いやすいです。
FX初心者は3大通貨ペアと呼ばれるUSD/JPY、GBP/USD、EUR/USDでトレードするのが良いでしょう。
チャート
チャートとは過去から今までの値動きを表すグラフで、縦軸が価格、横軸が時間になっています。
また、チャートの種類は、主に次の3種類に分けられます。
・ローソク足チャート
・バーチャート
・ラインチャート
日本ではローソク足が使われるケースが多いですね。
差金決済
FXの取引は差金決済(さきんけっさい)で行われます。
難しく感じるかもですが、差金決済の意味が分かると後から解説する「証拠金」や「レバレッジ」が理解しやすくなります!
差金決済とは取引の時に、現物を受け渡しせずに価格が変わった差分だけをやり取りすることです。
普段の買い物に例えて解説するわ。
日常で行う買い物は「現物決済」です。
お店にお金を実際に支払って、服を受け取りますよね?
差金決済ではお金と服の受け渡しをせずに、約束だけをします。
約束だけして、後から服の値段に応じて差額だけを支払います。
FXも同じように、ドルを買う約束だけをするんだ。
この時は米ドルの受け渡しはありません。
詳細なFXトレードの流れがこちらの図です。
FXの取引は、このような形で行われています!
証拠金
証拠金とは、取引するために必要なトレーダーの元本です。
差金決済の例で、トレーダーは最初に米ドルを買うけど将来的に必ず売り戻すという約束をしました。
この約束を保証するために、FX会社に預け入れるお金を証拠金と呼ぶんです。
証拠金は取引するための担保みたいなものですね。
トレーダーとFX会社、マーケットの位置関係は、次のようになります。
なお日本のFX会社はトレーダーの注文をマーケットに流さないDD方式で、海外FX会社は注文を流すNDD方式である場合が多いです。
レバレッジ
レバレッジとは、少ない投資元本(証拠金)で大きな資金を運用できる仕組みを指します。
レバレッジ(leverage)とは、重いモノを持ち上げる「てこの原理」の意味です。
国内FXのレバレッジは最大で25倍までで、海外FXは500倍や1,000倍など大きい倍率がほとんどです。
「レバレッジは借金だから危険だ!」って誤解する人が多いんだが、、、
正確に言うと、借金してるわけじゃないのよ。
その理由は、次のように「トレーダーは証拠金を担保として預けているから」になります。
トレーダーは、レバレッジの効いた金額を自分で「保有」しているのでなく「取引」に使っているだけなんです。
そして、取引の担保として証拠金を預け入れている。
なので厳密に言うと、借金はしていません。
「レバレッジを大きくすると、より少ない金額で取引できる」のが正しい理解です。
でも、なぜリスクが高いと言われるの?
レバレッジを上げれば大きな金額を動かせるので、損益の金額も大きくなるためです。
レバレッジは正しく理解すれば、少ない資金で効率的に増やせる強い味方になります!
ロット(Lot)
ロット(Lot)とは、FXで取引する通貨の数量を指します。
1つのまとまりをロットと呼び、例えばダース(12個で1ダース)と同じように単位を表す言葉です。
一般的に、国内FXでは1万通貨を1ロット、海外FXでは10万通貨を1ロットと規定しています。
1ロットの計算式は次の通りです。
USDJPYが150円の1ロット(海外FX)
1Lot = 100,000(通貨量)✕ 150(為替レート) = 15,000,000円
1Lotとは、1,500万円の金額を取引しているんです!
こういった基本を理解すれば、大きい金額を取引している実感が湧くのでルールを守れるようになります。
pips(ピプス)
各国の通貨は単位がバラバラです。
例えばUSDJPYが150.563で、GBPUSDが1.26381なら小数点以下のケタが違いますよね。
そこで、共通の単位として導入されたのがpips(ピプス、ピップス)になります。
なおpipsは「percentage in point」の略であり、1つでpip、複数形でpipsです。
上のように決済通貨(右側)が円の時は小数点第2位が1pipで、ドルの場合は小数点第4位が1pipになります。
ゼロが多くて覚えられないよ。
数字の「右側から2番目が1pip」と覚えておけばOKです!
このように考えると、小数点の位置を気にせずにpipsを瞬時に把握できます。
ロスカット
FXのロスカットとは、取引中に損失が大きくなった時にFX会社が強制的にトレーダーのポジションを決済することです。
勝手に決済されるのは嫌ですが、さらに損失が増えないようにトレーダーを守るシステムだと思えばポジティブです。
ロスカットの基準は、証拠金維持率で設定されています。
- 国内FX:18社中13社は証拠金持率100%で、残りは50%に設定
- 海外FX:過半数の会社が20%に設定
証拠金維持率とは
証拠金維持率とは、トレードに必要な資金が、口座残高(元本)に占める割合です。
例えば口座残高が40万円の時、トレードに必要な資金(必要証拠金)が5万円なら、
40万(証拠金)÷ 5万(必要証拠金)× 100=800%(証拠金維持率)になります。
追証(おいしょう)
追証(おいしょう)とは追加証拠金(ついかしょうこきん)の略で、FX会社に追加で預け入れる義務があるお金です。
FXの取引中に口座残高が一定の金額を下回った時、指定の期限(数日以内)までに追加入金しないと、取引が強制決済(ロスカット)されます。
口座残高が40万円の具体例を見ていきましょう。
元本の40万円(図の①)から損失が増えた時、30万円(②)になった時点で決済すれば損失は10万円だけで追証は発生しません。
しかし残高がFX会社の指定する証拠金維持率を下回ると、追証を払う義務が発生します。
上の例では証拠金維持率が100%以下になり、口座残高が10万円(③)になれば、差額の20万円を追加で入金しなければいけません。
これが追証であり、文字通り「追加で証拠金」が必要なわけです。
なお追証は国内FXで発生しますが、海外FXにはありません!
その理由は、海外と国内の法律が違うためです。
帳尻不足金
帳尻不足金(ちょうじりふそくきん)とは、口座残高がマイナスになった時に支払う義務があるお金です。
次の図を見れば、追証との違いが分かりやすいわ。
追証は口座残高が0円以上ある場合に発生し、口座残高がマイナスになると「帳尻不足金として15万円」を追加で支払う必要があります!
注意点として帳尻不足金は「国内FXだけにある制度」で、海外FXにはありません!
なぜなら海外と国内の法律が違うためです。
日本の法律では金融商品取引法に規定されており、国内FX会社は顧客(個人トレーダー)の損失を補てんしてはいけない法律です。
金融商品取引法(第四十二条の二、三、六)
二 有価証券売買取引等につき、自己又は第三者が当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補塡し、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため当該顧客又は第三者に財産上の利益を提供する旨を、当該顧客又はその指定した者に対し、申し込み、若しくは約束し、又は第三者に申し込ませ、若しくは約束させる行為
三 有価証券売買取引等につき、当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補塡し、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させる行為
六 運用財産の運用として行つた取引により生じた権利者の損失の全部若しくは一部を補塡し、又は運用財産の運用として行つた取引により生じた権利者の利益に追加するため、当該権利者又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させること(事故による損失又は当該権利者と金融商品取引業者等との間で行われる有価証券の売買その他の取引に係る金銭の授受の用に供することを目的としてその受益権が取得され、若しくは保有されるものとして内閣府令で定める投資信託の元本に生じた損失の全部又は一部を補塡する場合を除く。)。
海外は真逆で、「個人トレーダーに損失を補てんさせてはいけない」法律もあります。
なので、海外FXはゼロカットシステムという「個人が追加の損失を追わないシステム」を実現しているんです。
ポジティブな見方をすると、日本は法律で定めることで詐欺的な広告を防止しているとも言えます。
その一方で、日本の法律は「個人トレーダーよりも、国内FX会社の利益を優先して守っている」という見方もできますね。。。
こういった知識を身に着けて、自分で自分の身を守りましょう!!
国内FX会社のデメリット2つ
国内FX会社のデメリット1つ目は前述の通り、追証と帳尻不足金によって口座に預け入れた金額以上の損失を受ける可能性があることです。
2つ目のデメリットは国内FX会社の発注方式はDD方式が多いことです。
まずNDD(No Dealing Desk)方式はトレーダーの注文をマーケットへ直接流して取引を行う方式で、次の図のような状態を指します。
NDDに対してDD(Dealing Desk)方式は相対取引になっており、トレーダーとFX会社間で取引をします。
つまりFX会社がトレーダーからの注文をマーケットに流さないのがDD方式です。
この場合、トレーダーの利益はFX会社の損失になります。
トレーダーが稼げば稼ぐほどFX会社は赤字になる仕組みなので、FX会社としてはなるべくトレーダーに稼いでほしくないと思うでしょう。
海外FX会社のデメリットは1つ
海外FXのデメリットは金融庁から警告を受けていることです。
日本に住む日本人を相手に金融商品取引業を行う場合は、金融庁への登録が必要になります。
しかし登録すると最大レバレッジが25倍までに制限されたり、ゼロカットシステムの採用ができなくなるため、多くの海外FX会社は登録していません。
またトレーダーが自己責任の元で、海外FX会社を使用する分には罰せられません。
スワップポイント
スワップポイントは、2国間の金利差で得られる利益(配当)を指します。
金利は国ごとに違っており、先進国よりも発展途上国の方が金利が高い傾向にあります。
日本円、米ドル、英ポンド、ユーロなどの先進国よりも、南アフリカランドやメキシコペソなどの金利が高いです。
上の図ではメキシコペソの金利が5.5%で、日本円の金利が-0.5%なので、5.5-(-0.5)=6.0%の金利差による利益がもらえます。
スワップポイントは毎日付与されるので、中長期の運用に適しているんだ
しかし新興国の金利が高い理由はリスクがあるから高くしているわけなので、為替差益による損失も十分に考慮しましょう!
トレード時に使う重要な用語12選
トレードで必要な用語を覚えて、本番で焦らないようにしましょう!
知らないと誤操作をしたり注文が遅れて損する可能性もあります。
注文(エントリー)
FXの注文とは、新しい取引を始めることであり、別名はエントリーです。
新しい取引を始める価格の場所を、エントリーポイントと呼びます。
買い注文は一般的に「買いで取引を開始する」や「買いで仕掛ける」と言われる時もあります。
建玉(ポジション)
建玉(たてぎょく)とは「通貨ペアをどれだけ買っている状態か・売っている状態か」を表す言葉です。
別名ポジションって言うんだ。
例えば米ドル円の買い注文をして保有することを、「米ドル円の建玉」や「米ドル円のポジションを持つ」と言います。
ロング(買い、BUY)
FXで買いエントリー(買い注文)をロングと呼び、チャートの「BUY」を指します。
ロングは注文する行為を指しており、英語の「長い(Long)」とは関係ありません。
例えば米ドル円でロングするとは、USDJPYで買いエントリーを指し、日本円を使って米ドルを買っている状態です。
ショート(売り、SELL)
FXで売りエントリー(売り建玉)をショートと呼び、チャート画面では「SELL」を指します。
ショートは注文する行為を指しており、短い(Short)とは関係ありません。
例えば米ドル円でショートするとは、USDJPYで売りエントリーすることを指し、米ドルを売って日本円を買い戻しています。
スプレッド
スプレッドはトレーダーが負担する実質的な手数料であり、売値と買値の価格差を指しています。
FXでは売値(Bid)と買値(Ask)の2つの価格レートが示されます。
上のように買値の103.716で注文した場合、その後すぐに売れる価格は売値の103.711からになります。
トレーダーは、1ドルあたり0.5銭(0.005円)の損失がある状態から取引を開始しているんです。
スリッページ
スリッページとは、注文を出した時の価格と、実際に取引が行われた価格が違うことです。
マーケットの急激な変動によって起きるため、どのFX会社でも発生しますし、トレーダーにとって損失にも利益にもなり得ます。
例えば次のチャートは2023年12月8日 22時30分の米雇用統計の時で、1ドルが144.35円付近から145.20付近まで一瞬で0.85円ほど動きました。
海外FXで1Lot取引していたら、約85,000円分になります。
もし売りのポジションを持っている場面で次の図のように下側の赤線に損切を設定すれば、普通はマイナス1万円で済みますが、スリッページが発生して上の赤線で実際の注文が処理されて5万円の損失になる可能性もあります!
反対に買いポジションを持っており下側の赤線に利益確定ラインを設定した場合、ふつうはプラス1万円で終わりますが、スリッページが発生して上の赤線で利確されて5万円の利益になるラッキーもあり得るんです!
いずれにしてもギャンブルに近いので、初心者は大きな経済指標がある時はトレードを控えましょう。
決済(エグジット)
FXの決済(エグジット)とは、ポジションを清算して損益を確定させる行為であり、注文(エントリー)の対義語です。
決済の種類は次の3つがあります。
利益が出るか、ほぼ0円か、損失が出るかの3種類で、「利確」、「建値撤退」、「損切り」と呼びます。
FXは注文したポジションを決済しなければ、損益が確定しません。
決済せずにポジションを持っている状態での損益は、含み益や含み損と呼びます。
含み益や含み損は幻
含み益や含み損は「幻想」なので、初心者はエントリー後に何回もチャートを見ない方が安定して勝てます。
エントリーしてから含み益が減った例を見てみましょう。
黒い丸で売りエントリーしてから、利確ラインに近づいて5万円あった含み益が4万円に減ったら、どう感じますか?
「5万円獲得のチャンスが4万円に減ってしまった!」と思うはず。
さらにその後、含み損に転じてマイナス4万円になったら、どうでしょう?
「あの時、利確しておけばよかった。。。」と感じる人も多いはず。
しかし損切りにならなければ、結果的に利確されることもあり得ます。
このようにチャートを何度も見ると心が同様するので、損切と利確を一度決めたら放置するのがベストです。
中上級者になったら、少しずつ動かしていく方法を覚えましょう。
利益確定(TP)
FXの利益確定とは、利益がある状態でポジションを決済する行為です。
英語ではTP(テイクプロフィット)と呼ばれ、利確(りかく)とも言います。
「150円に達したから利確する」、「利確ラインを151円に設定する」のように使います。
FXはエントリー時に、利益を確定するラインを決めておくと迷いません!
損切り(SL)
損切りとは、損失がある時にポジションを決済する行為です。
英語ではSL(ストップロス)と呼ばれ、損失を拡大させないために最も重要です。
FX初心者のよくある失敗の第1位が損切りせずに大損するなので、必ずストップロスを設置しましょう!
リスクリワードレシオ(RR)
リスクリワードレシオとは、1回の取引におけるリスク(損失)と、リワード(利益)の比率(レシオ)を指します。
1回の取引で、リスクに対して利益がどれくらい見込めるかを表すよ。
例えば損失が1で利益が2なら、リスクリワードは1:2になるわ。
かけ金が1万円の場合、リスクは1万円でリワードは2万円ですね。
もし負けたら5万円、勝っても5万円を得る場合は、リスクリワードが1:1になります。
注意したいのは、リスクリワードが悪い場合です。
上の図のように利益より損失が大きい場合は、基本的にエントリーしない方が良いです。
なぜなら1万円勝ってもマイナス1万5千円の損失リスクがあるから。
ただしリスクリワードは、次に解説する「勝率」と密接に関係するので、自分の手法と照らし合わせて下さいね。
勝率
勝率とは、全てのトレードの中で勝ったトレードの割合です。
100回トレードして、50回勝った場合の勝率は50%、75回勝ったなら75%になります。
勝率の計算式
勝率=勝ったトレードの回数÷全体のトレード数×100
期待値
FXで勝ち続けられるか?を考える時、期待値が重要になります。
期待値とは「1回の取引で得られる利益の平均値」を指しており、FXよりも数学的な内容です。
サイコロの例題で考えてみましょう。
6の目が出る回数は、6分の1ですよね?
最初の1回、2回でたまたま6が連続で出ても何千回、何万回と続ければ、確率は6分の1に近づきます。
FXも同様に、直近のトレードで連続2回、3回負けても、繰り返すと最終的に勝つトレードが重要になります。
<期待値の計算>
期待値=勝率×利益-負率×損失
例えば勝率50%でRRが1:2の時、期待値は1です。
かけ金が1万円なら、50%(勝率)×2万円(利益)-50%(負率)×1万円(損失)= 5,000円(期待値)
期待値が5,000円とは、勝負する度に5,000円が増える計算なので、何回も繰り返せば利益が増えていきます。
反対に期待値がマイナスなら、トレードするごとに口座残高は減っていくため改善が必要です!
勝率が低くても、リスクリワード(RR)が高いと利益が出る
例えば勝率40%でRRが1 : 2の時に、1万円のかけ金なら
40%×2万円(利益)-60%(負率)×1万円(損失)= 8,000円-6,000円=2,000円
したがって、トレードするごとに2,000円が増える計算です。
勝率が高くても、RRが低いと損失が出る
例えば、勝率65%でRRが1 : 0.5の時、1万円のかけ金なら
65%×0.5万円(利益)-35%(負率)×1万円(損失)= 3,250円-3,500円=-250円
つまりトレードするごとに、250円ずつ減っていく計算になるんです。
資金管理
FXで資金管理は超重要で、優秀な手法やメンタルがあっても資金管理が不適切だと資金を減らしてしまうんです。
例えば勝率90%の手法でも、10回に1回は負ける計算よね?
元本100万円の半分をかけ金にし、1回目で負けたら一気に50万円まで減ってしまいます!
このように資金管理を理解していない人は「FXはギャンブルだ」と考えるわけです。
なので1トレードのかけ金は、元本全体の2%以下にしましょう。
この2%ルールは「資金管理の王道」と言われ、FXの世界では最も一般的です。
元本が10万円なら2%は2,000円なので、負けても9万8,000円が残ります。
単純計算で50回連続負けなければ、0円にはなりません。
(厳密に言うと9万8,000円のかけ金2%は1,960円と小さくなっていくので、2%ルールを守っていれば理論上0円にはならないんです。)
とはいえ元本が少額でかけ金が小さいと、大きく増えないのも事実だから、資金管理と手法はワンセットで考える必要があるんだよ。
「勝率95%!」「資金が○○倍」などの誇大広告がありますが、FXは様々な要因から考える必要があるのでダマされないように注意してくださいね!
チャート分析の用語2選
FXの分析方法は次の2種類で、勝つために重要な根拠を表す用語になります。
テクニカル分析
テクニカル分析は、チャートの過去の値動きから今後を予測する分析方法です。
過去のパターンが将来も繰り返す可能性が高いため、トレーダーの多くがテクニカル分析を使います。
人間が売買してチャートが形成されるため、人間の心理に基づいたパターンが形成されやすいです。
なので僕は心理学を考慮したテクニカル分析を使っています!
ファンダメンタルズ分析の特徴
ファンダメンタルズ分析とは、世界各国の経済や政治など為替に影響を及ぼす材料から、将来の値動きを予測する分析方法です。
例えば金利政策など、ファンダメンタルズ分析は長期的な為替の動きに影響します。
反対に、発表直後にチャートが一瞬で動くアメリカの雇用統計などもあるんです。
例えば2023年12月8日の米雇用統計で、USDJPYの1分足チャートを見てみると、数秒で144.352から145.207まで急激に動いています。
トレード前に、値動きに影響しやすい経済指標をチェックすると安心ですよ。
無料で経済指標をチェックするには、トレーディングビュー(Tradingview)が便利です。
トレーディングビューの経済指標
トレーディングビューで右クリックし、「設定」を選びます。
「イベント」から、「チャート上に経済イベントを表示」をチェックすればOKです。
将来のイベントのみ表示は、お好みで選んでくださいね。
FXテクニカル分析に使う重要用語
続いてFXのテクニカル分析に使う重要単語を解説します。
ローソク足
ローソク足とはチャートを構成する最小単位です。
陽線(ようせん)は上方向に上がっている時のローソク足で、陰線(いんせん)は下方向に下がっている時のローソク足です。
安値と高値
安値と高値は、チャートの高い価格と安い価格の折り返し地点で、次のようになります。
次で紹介する押し安値・戻し高値と混乱しがちなので、分けて考えてくださいね。
押し安値
安値・高値とは別に、押し安値と戻し高値があります。
押し安値とは、「直近の高値を更新する起点となった安値」を指します。
初心者は「ただの安値」と「押し安値」を間違えやすいので、注意してくれ。
例えば次の図では、赤丸部分は押し安値ではありません。
なぜなら「直近の高値を更新していない」ためであり、赤丸は「ただの安値」と言えます。
戻し高値
戻し高値は、押し安値の反対で「直近の安値を更新する起点となった高値」です。
基本的な考え方は、押し安値と同じになります。
トレンド
チャートの代表的な相場状況は、次の3種類に分けられます。
- 上昇トレンド
- 下降トレンド
- レンジ
3つの判断は、安値と高値の位置の違いになります。
まず上昇トレンドとは、安値と高値が両方とも切り上がっている相場です。
安い時に買って高く売ることで、利益を得ます。
反対に下降トレンドとは、安値と高値がともに切り下がっている相場です。
高く売って安く買い戻すことで、利益を得ます。
レンジ
レンジとは、安値と高値が一定の範囲内にある相場です。
高値と安値は、何回反発したらレンジと言えるの?
明確な定義はないけど、同じ線上で2~3回反発したらレンジと言えるわ。
ダウ理論
ダウ理論は、FXで最も重要と言っても過言ではありません。
6つの法則がありますが、初心者が覚えるのは1つでOK。
「トレンドは明確な転換サインが出るまで続く」の法則が重要であり、簡単に言うとトレンドが続くかどうかの話です。
「明確な転換サイン」とは、高値と安値の更新が止まった状態を指します。
上の図で最初は上昇トレンドで高値と安値が切り上げています。
その後①で高値が前回高値を更新せず切り下げ、②で安値も前回安値を切り下げて下方向に更新しています。
①と②の両方そろって「トレンドが転換した」と言うんです!
ダウ理論は、ほぼ全てのトレーダーが使う考え方なので超重要になります。
よくある間違い@トレンド転換
先ほどの図で、①だけではトレンド転換はしておらず、「レンジの状態」です。
赤い縦線以降からトレンド転換、つまり下降トレンドになりました。
エリオット波動
エリオット波動とは「相場の値動きには、一定のパターンがある」という理論です。
簡単に言うと、上昇5波と下降3波で1サイクルの考え方になります。
上昇の5波について、エリオット波動の3原則があります。
<上昇5波に対して>
①1波、3波、5波の中で3波が1番短くなることはない
②2波が1波の始点を下回ることはない
③4波が1波の高値を下回ることはない
上の3原則は、それぞれ次のような状況です。
①1波、3波、5波の中で3波が1番短くなることはない
②2波が1波の始点を下回ることはない
③4波が1波の高値を下回ることはない
なおエリオットの上昇5波・下降3波を解説しましたが、下降の場合も考え方は同じになります。
このように下降5波・上昇3波と、反対になるだけなんです。
フィボナッチ
FXのチャートは、高値と安値を作りながらジグザグに動きます。
過去の高値・安値に対して、将来のチャートの反発ポイントを予測するのに使うのがフィボナッチです。
上昇トレンドなら直前の高値・安値を100%とした時に、次は何%戻すのか?を予測する時に使います。
FXのフィボナッチで使われる数値は、次の5つが有名です。
・23.6%
・38.2%
・50.0%
・61.8%
・76.4%
実際のチャートは、こんな感じですね。
細かい数値までは覚える必要はなく、およそ4分の1を戻したのか?(23.6) 3分の1か?(0.382) 半分か?(50%) といった感じで大まかに覚えればOK。
フィボナッチ数列とは
61.8などの中途半端な数値である理由は、数学のフィボナッチ数列から来ています。
フィボナッチ数列は「1,1,2,3,5,8,13,21,33…」のように、前の2つの数字を足すと次の数字になる法則を持つ数列です。
このフィボナッチ数列を無限に計算していくと、隣り合う数値が黄金比に近づいていきます。
黄金比とは「1:1.168」であり、世界で最も美しい比率と呼ばれているんです。
例えば黄金比で作られている芸術として、モナ・リザやピラミッド、パルテノン神殿などがあります。
以上より、フィボナッチ数列は有名であるためFXでも「反応しやすい数値」として意識されるわけです。
黄金比率を割ると、1÷1.618= 0.61804… であるため「61.8%」という数値が出てきます。
優しく解説!FXの注文方法3種類
実際の注文で使う用語なので、1つ1つ丁寧に確認してくださいね。
成行注文
成行(なりゆき)注文とは、今表示されている価格での新しい注文を指します。
FXの取引画面にある「売値」か「買値」を選んで注文すれば完了です。
MT4なら次のように、赤で成行売り、青で成行買いになります。
指値注文
指値(さしね)注文とは価格を指定して注文することで、将来の注文を予約できるんです。
指値注文は、次の2つの前提を頭に入れると理解しやすいです。
<2つの前提>
①投資の基本は、安く買って高く売る。(もしくは高く売って安く買い戻す)
②指値注文とは、自分にとって有利な価格で注文すること
具体例として買い注文を例に、新規エントリー時の注文と、取引を終了する決済オーダー注文の2つを見ていきましょう。
まず、新規で買いエントリーの場合は、今の価格よりも安い価格を指定します。
理由は前述の2つの前提から、新規で買う場合はより安い方が有利になるからです。
次に買いポジションを終了する決済注文のパターンを見ていきましょう。
決済での指値注文とは現在より高い価格を指定するため、「売り注文」になります。
なぜなら前述の2つの前提から、「指値注文は有利な方向へ価格を指定する」でしたよね?
なので買い注文の有利な方向は利益が出る方向なので、現在よりも高い価格での決済注文になるんです。
反対に売りの場合はすべて逆になり、新規の売り注文なら現在価格よりも高い値段を指定するのを指値注文と呼びます。
売りポジションの決済時は、より安い値段で買い戻すのが有利なので、現在よりも低い価格を指値注文と呼びます。
決済時の指値注文は、利確(TP)と覚えればOKです!
MT4・MT5の注文画面を見ると、決済指値の隣にT/Pとあり、利確ラインを表しています。
逆指値注文
逆指値注文は、言葉の通りで指値注文の「逆」を指します。
つまり指値注文と同じように予約注文ができて、2つの前提があるんです。
<2つの前提>
①投資の基本は、安く買って高く売る。(もしくは高く売って安く買い戻す)
②逆指値注文とは、自分にとって不利な価格で注文すること
なぜ不利な価格でわざわざ注文するのか混乱しないように、具体例で説明します。
例えば将来的に価格が上がると予測する場合は、買いますよね?
ずっとチャートを見ていられない!とか、テクニカル的に違う位置で買いたい!と言った場合は、次のように現在価格より高くても買うパターンがあります。
なぜなら、その後も値上がりすると予測しているため。
この時の予約注文は、自分にとって不利な価格、つまり現在より高い価格で買うことになります。
このケースを新規注文時の逆指値と呼ぶんです。
次に決済時の逆指値とは、損切を指します。
買いのポジションを持った後、自分にとって不利な価格は、現在より安い価格になるからです。
逆指値の決済は、損切注文だと覚えておけばOKだよ!
MT4・MT5のオーダーパネルを見れば、決済逆指値の横に(S/L)が記載されているのでチェックしてみてくださいね。
トレードスタイルの用語4選
自分のスタイルが次の4つのどれなのか、確認しながら読んでみてくださいね。
それぞれの特徴を、一覧表にまとめてみました!
トレードスタイル | 必要資金 | 取引時間 | 利幅 | スワップポイント | 向いている人 |
---|---|---|---|---|---|
スキャルピング | 1万円~ | 数秒~数十分 | 数pips | なし | ・短期間に稼ぎたい ・瞬発力がある |
デイトレード | 数万円~ | 数十分~数日 | 数十pips | ほぼなし | ・一般的なトレード |
スイングトレード | 数十万円~ | 数日~数週間 | 100pips~ | あり | ・のんびり投資したい ・資金力がある |
超長期トレード | 100万円~ | 数ヶ月~ | 1000pips~ | 多くあり | ・ファンダメンタルズ分析が得意 ・大きな資金力がある |
スキャルピング
スキャルピングとは、数秒から数十分で取引を終えるトレードスタイルです。
数pipsの小さい利益を何回も積み重ねて、大きな利益を得ます。
取引中は集中してチャートを見る必要がありますが、トレード自体は短時間で終わりです。
スキャルピングは、FXの取引スタイルの中で一番短い時間で短期集中型の手法と言えます。
デイトレード
デイトレードとは、数十分~数日で取引するトレード方法です。
狙う利幅は、およそ10pips~100pipsになります。
デイトレードはFXの手法の中で、最も一般的な取引方法です。
長すぎず短すぎないため、FX初心者に最適の手法と言えるでしょう。
スイングトレード
スイングトレードとは、数日から数週間かけて取引する方法です。
中長期の間でポジションを保有するため、1回の取引で大きい利益を狙います。
スイングトレードは取引期間が長いため、為替差益とスワップポイントの両方を狙う手法です。
超長期トレード
超長期トレードは、数週間以上のロングスパンで取引するスタイルになります。
長期的な景気に影響を与えるファンダメンタルズ分析が重要になります。
大きな資金力がある投資家向けの手法です。
その他FX用語 ナンピン
ナンピンとは含み損が出ている時に、ポジションを買い増しすることです。
例えば買いのポジションを保有していて価格が下がっている時、さらに買いエントリーを増やします。
ナンピンの魅力は、損失が出ていても平均取得単価を下げられることです。
例えば100円で買いエントリーをした時は、100円まで戻らないと損失は消えません。
ナンピンして100円以下の80円や60円で同量を買い増せば、平均して80円で購入したことになるため、80円まで価格が戻った時点で損失は0円になるんです!
もし損失方向に相場が継続したら、含み損が拡大して大損するぜ。
FX初心者は、絶対にナンピンを避けましょう!
FX用語を覚えた後に取るべき3ステップ
FX用語を覚えた後は、どうすれば良いの?
次の3ステップなら、大損リスクを回避しながらトレードを始められるわ。
- FXのデモトレードを試す
- 口座開設ボーナスで本番トレードに慣れる
- 少額でリアルトレードを実践する
デモトレードは無料でトレードを体験できるサービスなので、ノーリスクで試せます!
デモトレードで練習した後は、口座開設ボーナスをもらって実際の取引に慣れましょう。
取引に慣れたら実際に資金を入金して、少額でリアルトレードを実践するのがベターです。
リアルトレードはツールの操作性やメンタル面が違うため、少額でトライしてみてくださいね。
まとめ
初心者に分かりやすいよう図解を多く入れて、FX用語を解説してきました。
FXの基本や失敗せずにトレードする方法、大損しない秘訣が理解できたかと思います。
最後にこの記事のおさらいです。
- FXは差金決済で利益を得る投資
- 分析方法はテクニカルとファンダメンタルズの2つ
- 国内と海外のFX会社は追証の制度が違うので注意
- FX用語を理解したらデモ口座で試すと効果的
- ナンピンは大損につながるため期待値を考慮する
この記事で解説したFX用語を覚えれば、大損せずにトレードが始められます。
僕が勝てるようになった時の考え方も解説したので、FXで勝てず伸び悩んでる人にも参考になるかと!
FXの基本を身につけて、安定的な運用を心がけてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました!
です☆