FXのダウ理論って何?
ダウ理論を使った相場分析の方法が知りたい!
実際エントリーする時にダウ理論はどう使うの?
こういった疑問にお答えします。
ダウ理論を理解すればトレンド方向が推測できるので、利益を伸ばしやすくなります。
ダウ理論は、FXのチャート分析で最も重要な法則の1つですよ!
この記事ではダウ理論の基本法則や、高値・安値の正しい数え方、トレンド転換の種類などを図解つきで細かく解説しています。
記事の後半ではインジケーターやラインを使った実践テクニックを紹介しているので、最後まで読んでくださいね。
動画でも詳しく解説しています!
【必須知識】FXのダウ理論とは?
ダウ理論は、FXで安定した利益を得るために必要不可欠な知識になります。
なぜなら相場分析する時は、ダウ理論を用いてトレンドの方向や転換サインを推測するからです。
- 相場の流れは上昇、下降、レンジのどれか?
- 相場はトレンド転換しているのか?
上のように相場の流れを判断する時に、ダウ理論を使います。
ダウ理論は19世紀後半にチャールズ・ダウによって提唱され、テクニカル分析の元祖として現在まで長く使われています。
FX ダウ理論で重要な6つの法則
ダウ理論の基本原則を、間違って覚えないようにしてくださいね!
この記事では、本の情報を読み込んで解説しているので、信頼性は高いです。
間違った解釈をしているサイトもあるので、注意してくださいね!
平均はすべての事象を織り込む
「平均」とは市場平均を指しており、現在の価格(≒チャート)を表しています。
つまり「チャートは、価格変動に関するすべての要素を反映したものである」のです。
経済指標、金融政策などのファンダメンタルズ要因や、地震、戦争、テロと言った予測不可能な事態も、すぐに価格動向に織り込まれることを意味します。
なので、FXで勝つには「チャート分析だけすれば良い」のが、この法則です。
FXでテクニカル分析が重要視されるのは、この法則があるためですね!
トレンドには3種類ある
ダウ理論ではトレンドの長さを3つに分けており、長い方から主要トレンド、二次的トレンド、小トレンドです。
種類 | 期間 |
---|---|
主要 | 1年~数年 |
二次的 | 3週間~3ヶ月 |
小 | 3週間未満 |
二次的トレンドは次のように主要トレンドの調整局面であり、主要トレンドの1/3から2/3を戻すとされます。
小トレンドは二次的トレンドの短期的な調整と定義されるんです。
3種類のトレンドは、フラクタル構造を指していますね。
トレンドとは
トレンドには上昇と下降の2つがあります。
上昇トレンドとは、安値と高値が両方とも切り上がっている相場です。
安い時に買って高く売ることで、利益を得ます。
反対に下降トレンドとは、安値と高値がともに切り下がっている相場です。
高く売って安く買い戻すことで、利益を得ます。
主要トレンドは3段階からなる
主要トレンドは、次のような3つの段階から構成されます。
最初は買い集めの段階で、最も早い投資家が買うステップです。
次の第2段階は価格が急激に伸びて、市場に参加する投資家が増える時期になります。
第3段階では一般の投資家が参入してくる頃で、第1段階で買った投資家が利益確定の売りを出す最終段階と言えます。
平均は相互に確認されなければならない
ダウ理論が確立された当初は工業株価の平均と鉄道株価の平均に注目していて、両者が同じ方向を向かないと本格的なトレンドとは言えないと考えられていました。
現代に当てはめると、複数の市場や銘柄で相関性を確認する必要があるんです。
FXは2国間の通貨を売買するため、この法則は重要ではありません。
トレンドは出来高でも確認されなければならない
ダウは、シグナルを確認するために2番目に重要な要素として出来高を上げています。
「出来高はトレンド方向に沿って増減する」のが、ダウの考えです。
例えば上昇トレンドの時なら、出来高は価格が上昇するのに伴って増え、価格が下落する時には減少します。
ただしFXでは、証券会社ごとに出来高が違うんだ。
最も重要なのは価格チャートなので、出来高は2次的な指標として参考に用いるのが良いでしょう。
トレンドは転換の明白なシグナルが出るまで継続する
上昇もしくは下降トレンドが開始すると、トレンドを継続しようとする傾向があります。
FXはこの性質にしたがい、安く買って高く売る「トレンドフォロー」の戦略で儲けるのが王道です。
トレンドの転換は、高値と安値の切り上げ・切り下げで判断できます。
次の図で、最初は高値と安値が切り上げているので上昇トレンドです。
その後①で高値が切り下がり、②で安値も切り下がったので、赤い縦線より右側が下降トレンドに転換したと言えます。
重要!高値・安値には2パターンある
高値と安値には、押し安値と戻り高値もあるんです!
まず安値と高値の定義は、チャートの高い価格と安い価格の折り返し地点を指します。
安値と押し安値
安値に対して押し安値とは、直近の高値を更新する起点となった安値のことを言うんです。
どう違うのか分からない。。。
例えば次の図で、「赤丸の安値」部分は直近の高値を更新していませんよね?
なので押し安値ではなく、ただの安値になるんです。
高値と戻り高値
高値と戻り高値の違いも、前述と同じ考え方でOKです。
戻り高値とは、直近の安値を更新する起点となった高値を指します。
トレンド転換の明確なシグナルとは?
高値と安値には、押し安値と戻り高値もあるので「明確なトレンド転換のシグナル」も複数あります。
トレンド転換のシグナルだから、エントリータイミングとも言えるわ。
上昇から下降トレンドへの転換のシグナルは、次の3パターンです。
押し安値を切り下げるだけ
1つ目は押し安値の切り下げのみをシグナルとする考えで、最もシンプルで分かりやすいです。
押し安値を切り下げた後、高値と安値も両方切り下げる
2つ目は、押し安値を切り下げた後に高値と安値も両方を切り下げる考えです。
押し安値と高安の両面で切り下げるのを待っているため信頼性は高いですが、既に大きく下落しているため利益を伸ばせない難点もあります。
押し安値を下回らず、高値と安値だけを切り下げる
3つ目は、押し安値を下回らずに高値と安値の切り下げだけをシグナルとする考えです。
早くエントリーできるため大きい利益を狙える一方、押し安値が近いのですぐ上昇してくる懸念もあります。
3つの内で正解はありませんが、体感的に使ってる人が一番多いのは「①押し安値を切り下げるだけ」です。
理由はシンプルで基準にしやすいため、目線がブレないからですね。
初心者が相場でダウを知る方法:インジケーター編
FX初心者の場合、
実際のチャートはゴチャゴチャしていて分かりづらい
と感じる人も多いはず。
解決策として、インジケーターを使えば視覚的、かつ数字的に表せるのでトレンドが把握しやすいです。
zigzag
zigzagは、相場の高値と安値を結んだ直線を描くインジケーターです。
下図の青い線のように高値と安値が一目で分かるので、相場のトレンドを判断できます。
パッと見で上昇か、下降か、判断できて便利だな。
パラメーターはDeviation とPivot legsがあり、トレーディングビューのデフォルト設定は5と10です。
まずはデフォルト設定で試してみて大きすぎたら、値を小さくして高安を細かく見るのが良いでしょう。
移動平均線(MA)
移動平均線(Moving Average)は、トレンドの方向や強さを表すインジケーターです。
一定期間の平均値を算出して、次のように青い曲線で結んだものになります。
上に向いていれば上昇トレンド、下に向いていれば下降トレンドと視覚的に判断できます。
また高値安値の判断に使うならば、例えば「移動平均線とMAが触れていれば高値or安値と判断する」のように基準にできるでしょう。
移動平均線の期間は様々ですが、多くの投資家が使うのは、次のような数字が多いですね。
【短期】
・5
・10
・20
・21
【中期】
・75
【長期】
・100
・200
ストキャスティクス
ストキャスティクスは、相場の買われすぎは売られすぎを判断して反転予測に使うオシレーターです。
相場の過熱度を%で表示してくれます。
上のように%Kと%Dの2本の線が、0~100%で表示されているんです。
【ストキャスティクスの見方】
・数字が80%以上で、%Kが%Dを下抜けた ⇒ 売り
・数字が20%以下で、%Kが%Dを上抜けた ⇒ 買い
高値と安値の判断は、「80%以上を超えたものを高値とする」のように数字で判定できます。
中級者が相場でダウを知る方法:ライン編
チャートを見るのにある程度慣れている中級者ならば、ラインを使った判断も有効です。
ダウ理論でも言われていますがトレードする時には、価格つまりチャートが1番重要になります。
なのでチャートに直接ラインを書き込んで売買の判断ができれば、より精度の高いトレードができます。
水平ラインで見極める
チャートに水平線を引くコツは、次の2つです。
①何回もタッチしている箇所に引く
②幅を持たせて引く
過去に何回もローソク足にタッチしている水平線は、将来にも反応する可能性が非常に高いです。
なぜなら過去に反応している回数が多ければ多いほど、他の投資家もそのラインを意識して見るからです。
上の図で過去に5回反応している上の赤い水平線は、将来に3か所も反応していますよね?
このように多くの投資家に意識されて売買が活発になるので、同じ価格帯で高値・安値ができやすいんです。
2つ目の「幅を持たせて引く」については、図の青い長方形の部分になります。
ローソク足のヒゲ先に引くの?実体に引くの?
価格はぴったり反応するものではないため、ある程度の幅を持たせて大雑把に引くといいわ!
トレンドラインで見極める
斜めのトレンドラインによる見極めも有効です。
上のように赤い斜め線で、キレイに反応していますよね。
しかしトレンドラインは、人によってバラツキやすいので注意が必要です。
同じチャートでも人によってラインの引き方が変わります。
なのでトレンドラインを使う時は自分の引き方だけでなく、他の投資家はラインをどう引くのか?を頭に入れて戦略的に使いましょう。
トレードにダウ理論を活用する2ステップ
これまでの話でインジケーターやラインを使えば、ダウ理論によるトレンドを把握しやすいことが分かりました。
では実践トレードでダウ理論を使うためのステップを、詳しく説明していきます。
①目線を固定して相場を見る
初心者トレーダーは、指標を1つだけ使って目線を固定しましょう。
目線を固定するとは、トレンド転換のシグナルで自分はどれを使うのか決めることを指します。
①押し安値を切り下げるだけ
②押し安値を切り下げた後、高値と安値も両方切り下げる
③押し安値を下回らず、高値と安値だけを切り下げる
初心者であれば、まずは「①押し安値を割っただけ」で下降トレンド転換と考えるで目線を固定するのが良いです。
なぜなら高値・安値を細かく追いかけていると、上昇と下降が頻繁に入れ替わって複雑になるからです。
その結果、損切になったり、結局エントリーできなかったりする損失リスクがあります。
使うインジケーターも最初は1つだけにして、判断基準を増やさないようにしましょう。
②高値安値を考えつつ2つ目の指標を加える
目線を固定して相場を見られるようになったら、次は高値・安値だけの切り上げ・切り下げだけでエントリーを試しましょう。
最初は難しいと感じるかもしれません。
正解はないので、試してみて合わない時は、目線を固定し続けるのもありです。
インジケータは、2つ目の付け加えてトレード精度が上がるかを確認します。
トレンド系のインジケーターから1つ、オシレーターから1つ選ぶとバランスが良いです。
中級者なら、水平線とトレンドラインの両方を意識してみてくださいね。
FXでダウ理論を使う時の注意点
FXでダウ理論を覚えたら相場で実践しつつ、次の知識も取り入れていきましょう。
- エリオット波動
- マルチタイムフレーム分析
さらに移動平均線を使うなら、グランビルの法則も必要になります。
FXでは、上記の知識を総合的に使ってトレードしないと勝つのが難しいです。
サッカーで例えるなら、ダウ理論のみ知っているのはドリブルだけできる状態になります。
パスやシュート、ボールを持っていない時の動き方なども習得しないとサッカーの試合に勝てないですよね?
焦らずに1つずつ覚えていこう♪
まとめ
FXにおけるダウ理論の重要性を解説してきました。
FXのチャート分析でダウ理論は、最も重要な法則の1つです。
最後に内容のおさらいです。
- ダウ理論は、相場のトレンドの方向や転換サインを推測するのに役立つ法則
- 重要な法則は「トレンドは転換の明白なシグナルが出るまで継続する」
- トレンドを定義する高値と安値の他に、押し安値と戻り高値がある
- トレンド転換のエントリーポイントは3つの考え方がある
- 相場でダウ理論を知るにはインジケーターやラインを活用する
高値・安値と押し安値・戻り高値を混同すると、相場の見方が180度反対になる危険性があります!
定義をしっかり確認して、実践トレードに活かしてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました!
です☆